
〜現地レポート〜
アメリカの学校 
by モリス美沙・麗子
(アメリカ・マサチューセッツ)
アメリカの小学校のしくみ
アメリカの小学校の夏休み
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夏休みは3ヶ月
7月から9月はじめまで、3ヶ月の長い夏休みがあります。その間、子どもたちは自分の学校で行われる「サマースクール」に行ったり、地元のさまざまなところでうんえいされる「サマーキャンプ」に行ったりします。
お父さん、お母さんが毎日仕事をする家では、夏のあいだ、子どもがサマースクール・キャンプへ行くことがふつうです。
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サマースクール・キャンプってなに?
勉強はしません!サマースクールは、ふつう、月曜日から金曜日まで、工作をしたり、プールへいったり、ゲームをしたりして、朝9時から午後5時ごろまですご
します。サマーキャンプは1週間から2週間ほどをキャンプ場ですごす、とまりがけのキャンプです。テレビもパソコンもクーラーもないテントで寝とまりします。ふつうは小学6年生ぐらいから高校生まで、年れい別にグループをわけて、泳いだり、木登りしたり、ハイキングしたりしてすごします。
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アメリカでも夏休みの宿だい、ある?
小学校によっていろいろとルールがちがいますが、美沙(写真右)の学校では、5・6年生には算数の宿だいが5ページほどと、すいせん図書の本の題名をいくつかもらっただけです。読書は、先生から「これはおもしろいよ」とすすめられただけで、感想文の宿だいはありません。
アメリカの小学校の給食
- アメリカでは、日本の学校のような給食はありません。子どもたちは、家からおべんとうをもってくるか、学校でランチを買います。美沙の学校ではランチは2ドル50セント(日本円で200円ぐらい)です。
10時半ごろに教室でスナック(家からもってきたくだものや生のにんじんを切ったもの、ポテトチップスなど)を食べる時間があります。そして、11時半に学校内のカフェテリアに行って昼食をたべます。
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どんなものを食べてるの?
小学校で買えるランチのメニューは月ごとに学校からもらうので、その日どんな物を買えるか前もってわかります。人気のメニューはピザ、スパゲッティなどですが、毎日のメニューにはかならずやさい(ゆでやさいやサラダ)がそえられています。
家からおべんとうをもっていく子どもは、サンドイッチとくだもの、ジュースというようなかんたんに食べられるものをもっていく子どもがおおいです。
美沙のすきなおべんとうは、おにぎりです。
美沙の学校について
- 美沙は1999年生まれで、8月24日で12才になりました。今年の6月で小学6年生をしゅうりょうしました。美沙のクラスは19人の生徒がおり、美沙の学校には6年生が2クラスあります。それぞれのクラスにたんにんの先生が一人と、補助教員(ほじょきょういん)が一人います。
美沙の小学校 グラハム アンド パークス学校
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学校の建てものや教室
美沙の学校は、ボストンにほど近いケンブリッジ市にあります。ケンブリッジにはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学など、ゆうめいな大学があり、いろんな国の人びとがくらしています。町のまん中にあるため、校庭はなく、体育の授業は体育館で行います。教室には、5人ぐらいがいっしょにすわれるほどのつくえが4つほどと、先生たちが使うつくえとコンピュータ2台があります。
これは学習はっぴょう会のときの教室のようす。つくえが見えますか?
お父さん・お母さんがそれぞれ朝ごはんをもちより、クラス全員で食べました。
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授業の様子
私たちの住むマサチューセッツ州はアメリカの独立戦争(どくりつせんそう)が始まった場所として、歴史の古い州です。小学5年・6年では、州の歴史をたくさん学びます。

歴史てきに有名なせいじかや作家などを一人えらんで、その人がなしとげたことを説明しているようすです。
美沙はトマス・ペイン(しそうか)、右の男の子はボストンしゅっしんの第二代大統領、ジョン・アダムズについてパネルをつくりました。
アメリカの学校ならではのきまり
登下校について
マサチューセッツ州では、子どもたちだけで学校へかようことは「まれ」です。州のきまりで、子どもだけで学校へ歩いていけるのは、家から学校までひじょうに近く、小学4年生以上ときめられているからです。ふつうは、家の近くのスクールバスのりばまで大人(親)と行き、バスに乗るまでいっしょにまちます。下校もスクールバスで家の近くまで行き、そこで大人がまっていないとバスからおりることはできません。小学4年生からはバスていから家まで自分で帰ることができます。
スクールバスで学校へ行かない子どもも大ぜいいます。親の車や自転車などで来たりいっしょに歩いて来たりします。
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学校の始まりと終わり
ケンブリッジ市には12の小学校がありますが、学校の始業・終業時間はそれぞれの学校で少しずつちがいます。美沙の学校は8時25分から2時25分までです。
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放課後はなにをするの?
美沙の学校の子どもの多くが「アフタースクール」プログラムに参加しています。ふつうは学校の中にあり、宿だいをいっしょにしたり、スポーツをしたり、ゲームをしたりして、5時半ごろまですごします。
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いろんな人種(じんしゅ)・宗教の子どもたち
美沙の学校は「じんしゅのるつぼ」ともいえるほど、ほんとうにたくさんのちがう国しゅっしんの生徒(せいと)が毎日いっしょに勉強しています。話すことばも、宗教(しゅうきょう)もちがいますが、その「ちがい」についてほかの子どもをいじめたり、からかったりすることは、とてもきびしくきんしされています。それは、生徒だけでなく、生徒の親(おや)にも同じきまりが課(か)せられています。
おわりに — アメリカでも、日本でもがんばろう!
- アメリカと日本の小学校にはちがうことがたくさんありますが、にていることもいっぱいあります宿だいもたくさんでるし、学げい会やはっぴょう会もあります。子どもたちは、けんかをしたり、楽しいことやうれしいことを友だちといっしょにわかちあいます。日本のみなさんと同じように、毎日を一生けんめい生きています。このセミナーで、みなさんが「ちがい」を知ると同時に「にている」ことも学んでいただけたなら、うれしいです。
「私たちの学校のレポートを読んでくれて、ありがとう!!」
わたしたちのプロフィール
母:モリス麗子
愛知県小牧市生まれ。津島女子高校(現清林館高校)3年生のときに1年間豪州・メルボルンに交換留学。1987年中部大学国際文化学科に入学、オセアニア島嶼国(豪・NZ含む)の文化人類学を専攻。1992年から97年まで中部大学事務職員として勤務(うち2年は語学センター事務員)。ボストン郊外出身の夫は語学センター時代の同僚。1998年に夫と共に米国へ移住。2006年 レズリー大学大学院にて修士号取得(異文化交流学)。現在、ノースイースタン大学海外留学生・研究者センターにて留学生アドバイザー(移民法遵守監視アドバイザー)として勤務。
好きなもの:ボストン・レッドソックス、日本のお祭り(中でも浜松まつり)
娘:モリス美沙
1999年 米国アイオワ州生まれ。2011年9月より7年生(日本の中学1年生)好きな食べ物:鉄火巻、ステーキ、大福。好きなもの:日本のマンガ(特にドクター・スランプ)、アニメ(宮崎駿すべて)、コンピュータで絵を描くこと
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