グループ研究まとめ

〜いろいろな国の小学校英語教育〜


国名 フィンランド デンマーク フランス スウェーデン オランダ ドイツ 日本
始める学年 3年生 3年生 1年生 4年生
(1年からも)
5年生 3年生 5年生
学習時間 57時間/年
(3年生)
60~90時間/年 1~1.5時間/週 平均480時間/年 1~2時間/週 2時間/週 1時間/週
教材 教科書・ワークブックをベースとして多量(日本の約3倍ほど) 写真・多色刷で楽しい。好奇心をそそるもの。教師が自由に決める。 各学校が決めている。 教科書・CD 良い教材がない 絵本が多い。紙芝居なども なし





フィンランド 
目標: 自律した学習者の育成=自ら学習を推進していく力

内容: ・教科書は濃厚でエクササイズも豊富
・文法、語彙も早目。また学年が上がるごとのくり返しを大切にしている。
・授業はほぼ英語、教師と児童の対話形式
・3年生から発音記号の習得をしていることで音読のできる仕組み

結果: 小学校5・6年生の英語学習方法が身についた意識が高く、また、満足度とともに社会 に出てからも続けたいと自信を持っている傾向





デンマーク 
目標: ・母国語を基盤として外国語を学ばせる。授業時間の割合→(英語1:国語5~2)
・”聞く、話す、読む、書く”の同時習得
・競い合うのでなく、教え合い 対話する。
・自国・他国の文化理解

教員: ・教育実習は日本の10倍
・児童の模範となるように
・実践力重視

結果: 日常会話ができて、自分の意見が言える。(小学生)

その他: 成績表は無し。個々の学習計画が立てられる。





フランス 
目標: ・母語以外の言語を学ぶことにより、その言語を話す文化や人を理解し、尊重する態度を育てる。
・言語を使って何ができるようになるのか。

特徴: ・「外国語教育」=「英語教育」ではなく、EU内の言語を選ぶ(母語+2言語)
・その言語を話されている国についての理解を深めることを目指している。
・例えば、「英語」を選んだ場合、テキストには「イギリス」の文化・習慣も学習できるようになっている。
・小学校終了時には、全国レベルの外国語能力テストが行われる。






スウェーデン 
目標: (一部)・日常のなじみのある課題については簡単な討論に参加できる。
    ・英語が用いられている国の日常生活の側面について知る。

題材: 4年生:あいさつ、数、家族、行儀、季節、レストラン、月、朝食、スーパー、パーティー等
5・6年生:グレートブリテン、クリスマス、ハロウィン、ロックスター等

目標が明確にされており、小学校中学校の連携もとれている。
小学校ですでに世界の出来事や異文化理解の内容が教科書に取り入れられており、TV・コンピューター・音楽等の影響もあるが、英語教員養成制度の充実と明確な目標が高い英語力の要因といえる。






オランダ 
目標: (一部)・英語以外の教科と結びつけて使う。
    ・すべての科目で簡単な単語の綴りを学ぶ。

問題点: ・初等教育指導者は専門的な指導を受けていない。
・初等教育と中等教育との間に指導法、教育目標などの連携がない。






ドイツ 
目標: ・色々な異文化との接触を通じ、コミュニケーションに対する不安を軽減。
 ステレオタイプの問題に気づかせる。

きっかけ: ・80年代に入り、ドイツ語を母語としない子供たちが増加した。
・フランス、オランダ、チェコ、ポーランドなどの国境地帯から「隣の国を学ぼう」という動きが生まれた。

特徴: ・「外国語教育」であり、「英語」に限定されていない。
・他言語学習のプログラムは、EUの支援を受けていることが多い。







メンバー:浅井 孝実、入谷 哲子、鈴木 佐智世、杉山 敦子


参考文献:
『小学校の英語教育』河原俊昭、中村秩祥子 編著 明石書店 2011



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